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  • 執筆者の写真東ティモールOB・OG会

新型コロナ感染症で派遣延期の隊員の思い

現在、派遣待機中の鈴木成美さんに協力隊の志望動機と東ティモールでの活動したい内容について綴ってもらいました。

 

東ティモールの海
友人提供:東ティモール

▶現状

私が、JICA海外協力隊として、2020年の春に東ティモールへの派遣が決まったのは、2019年のこした。

それから2年間、私は東南アジアの小さな島国から、現地の人と東京オリンピックを応援している未来をずっと想像していました。しかし現実は、新型コロナの影響で派遣は延期となりました。今は神奈川県で病院薬剤師として勤務をしながら、派遣が開始されるのを待っています。


▶東ティモールとは

2019年に派遣が決まった頃私は関西に住んでおり、複数の国際協力団体の勉強会にこまめに通っていたので、東ティモールへ派遣される事を報告すると、快く東ティモールに所縁のある方々をご紹介して頂き、20人近くの方へアポイントメントを取りお話を伺いました。東ティモールの今まで、今後、どんな心構えがこの国に必要か話す中で、こんなにもこの国は問題を抱えているのかと、日々痛感していきました。

『あの国は、全ての国際的な問題を抱えている。と、言われている国だよ。』

約20年前の2002年5月20日に独立し、それまでの400年以上、他国に統治されている中では、十分な教育を与えれてなかったといいます。独立当初の21世紀にASEAN諸国は発展目覚ましいく大人が政治を行う中、赤ちゃんが政治を行うこの国が誕生した。と、形容する方の言葉が印象に残っています。

現在、初等教育の普及は概ね整ってきていますが、高等教育を教えられる教育者はこの国ではひと握りもいないのが現状です。国の発展には”教育”がいかに重要かは歴史が証明していると思います。


▶”考える力”

私は教育について、”知識は誰にも奪えないし、かつ人に与える事ができる財産”と考えています。そのためこれから発展する国にこそ教育が必要と感じ、JICAへの応募は教育に関わる要請を選びました。

JICA海外協力隊として、東ティモールの大学の薬学部の講師として派遣されます。要請内容は、薬学的な知識を教えたり、病院実習に行く前の実践的な知識を教えるものです。しかし、沢山の方と東ティモールについて話した今、要請内容も非常に大切なことだけど、それだけでは不十分と感じました。

写真:私の要請内容
写真:私の要請内容

例えば、要請内容は日本の義務教育の様な物です。正解は1つと決まっていて、用意された1つの答えを導く能力が重要になり、100点に近いほど優秀とされます。

しかし、社会に出るとその1つの答えは自分で導き出す必要があります。1つの事象は複数の要因が関連しており、それらを把握分析し、自分自身で”考えて導き出す能力=考える力”が求められます。この”考える力”を育てていく教育こそが、国の発展と存続に必要と感じました。

では”考える力”はどのように養われるのか。私は「色んな知識があること、色んな体験をすること」が重要と考えました。

例えば絵を描くことを体験します。これは、東ティモールへ壁画アートを提供した画家さんの言葉です。「春というテーマを与えられた時に、日本人は桜を描いたら正解と思って大半の人が桜の絵を描きます。しかし絵に正解はないんです。何を描いてもその人にとってそれが春なら正解です。絵は発想力が養われます。」

授業だけの繋がりだけではなく、色んな体験をこれからの世代の彼らと楽しみながら一緒にしていけたらと思って、東ティモールへの思いをここに綴ります。


 

▶︎プロフィール

鈴木成美

2020年1次隊派遣予定/東ティモール国立大学保健医療科学部薬学科講師(現在待機中)/薬剤師

出身は福島県南相馬市。大学在学中東日本大震災で被災。卒業後、京都府の病院で勤務。退職後国際NGOジャパンハートカンボジアで長期ボランティアとして活動。新型コロナ感染症の影響でJICAの派遣が延期となり、神奈川県の病院に現在勤務している。


豪雨災害の支援のため仲間と立ち上げた「東ティモール緊急支援チーム」として2021年に活動https://readyfor.jp/projects/support-timorleste


▶︎写真

豪雨災害の支援物資を発送準備しているときの写真です。




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